放課後、3人からの視線…

主に日下部くんと南野さんだけど

私のこと見てた。

それはもう、あからさまに…

でも私は気付かない振りをして

教室を出た。

友達でも何でもない私を

心配してくれて嬉しかった。

でも、苦しかった…

私のせいであの3人の関係が

壊れてしまうと思うと

怖くて仕方なかった。

幸ちゃんにご飯だけを残して

私は帰ってきた。

遊んであげたかったけど

今日はそんな気分になれなかったから。

明日はいつもより少し早く行って

遊んであげよう…

翌朝、いつもより早めに出た私は

花壇の水遣りを手早く済ませ

幸ちゃんの元に急いだ。

そっと寝床を覗くと

そこに幸ちゃんの姿が無くて

また木にでも登って降りれなくなって

いるのかと見上げても

そこにも居なくて…

「幸ちゃん!幸ちゃん!どこ?」

幸ちゃんの行動範囲は限られた

スペースのこの場所だけ。

どこ行っちゃったの!?

始業のチャイムが鳴っても

私は探し続けた。

見つけたと思った時には

幸ちゃんはピクリともせず

道路に横たわっていた。

う、嘘でしょ…

校舎裏のフェンスに小さな穴が

開いていて、恐らくそこから

出てしまったんだろう…

それで車か何かに轢かれたんだ。

校舎裏に面した道路は普段から

車の往来が多い場所だって

分かってたのに…

フェンスに穴が開いていても

1度もそこには近づかなかったから

大丈夫だって思って

穴を塞ぐことを怠った。

この世に絶対なんてないのに…

今度こそ守りたいと思ったのに…

私はまた同じ過ちを繰り返して

大切な幸ちゃんを死なせてしまった。

「ごめんね…幸ちゃん」

私は幸ちゃんの亡骸を木の根元に

埋めた。

涙は…出なかった…

やっぱり私は疫病神。