「ヒナはやくはやく!始業式始まるよ!」
楓と栞里が手招きをする。
今日から高校二年生。
運良くクラス替えで係で仲良くなった楓、栞里と同じクラスになった。
「今日から同じクラスなんだし、呼び捨てね!」
楓に言われ、二人のことは呼び捨てで呼ぶことに。
二人は、なっちゃんがいなくなりひとりぼっちな私に
係の時何度も話しかけてくれた
もう今では大切な友達だ
結弦君に振られてーーー半年経つ。
最初は毎日苦しかったけど、
もう今は前を向く努力をしているつもりだ
「ねえ、ヒナ。上の学年にかっこいい人が転校してきたんだって!」
そういう話に弱いのは……楓だ。
「わたしそういうの…」
「見に行こ!!!」
結弦君の話は二人にはしなくても分かってくれた。
凄く、感謝してる。
二人がいなかったら、私は今もひとりぼっちだった。
「んー、あ!あれだ!」
楓が指さした先に背の高い噂の転校生。
顔が見えないけど……後ろ姿が結弦君に似ていて、心臓が飛び跳ねた。
「こっち向かないかな〜」
「二人とも、もう行こうよ。ここ三年の階だし…」
無理やり二人を引き連れて戻った。
あの人ーーーーどこかで……?
ううん、私に男の知り合いなんていない。
結弦君に後ろ姿が似ていたから…
そう、それだけ。