「結弦君、ありがと」

「ううん、俺こそ」



優しく頭を撫でてくれる。


ーーー幸せな時間。




「俺、千代に言う」

「…うん」

「ヒナタは何も心配しないで」

「わかってる…待ってるから」



ヒナタ、と呼ぶ優しい声。
私を安心させてくれる。


大丈夫


待ってるからね、結弦君。



もう一度抱きしめ合った。


そして、身なりを直してから結弦君の家をでた。




「家まで送ってくよ」

「ううん、いいの」

「でも…あ、じゃあせめてライン教えて。帰ったら連絡してよ。心配だから」



一言一言優しいんだな。

こんなふうに誰かに大事にされるのって、すごいな。



「うん、わかった。ちょっと待ってね」



携帯でラインを開き、バーコードを出そうとした時。





「ーーーーヒナ?……イガ」




なっちゃんの声がした。