教室の窓から見える大粒の雨。

あの日…

結弦君にさよならを告けてから三日、雨が降り続いている。



「毎日毎日…梅雨みたい」

「なっちゃん、雨嫌い?」

「ていうか…ここ数日イガがおかしくてさ。雨のせいなのかな〜」

「おかしいって…」

「連絡も取れないし、電話してもでないの。気にはなったけど、ちょうどイガんちに行けなくて…今日あたり行ってみようかな…」

「そうなんだ…」



私のせい、なんて…自惚れだよね。


まさかこんな雨の中……待ってたり、しないよね?



「ヒナ…あのさ」

「どうしたの?」

「ヒナとイガって、会ったことあったり…しないよね」



なっちゃんーーーー?



「なんでそんなこと言うの…?」

「だってヒナ…あんなに男が苦手なのに…なんかイガには普通だったし…それに、ヒナが転んだ時…………本当に、初めてなんだよね…?」



苦しい。

嘘をつき続けることが。


でも、知ればなっちゃんはもっと苦しくなるんだ。




「うん、はじめて…だよ?なっちゃんの彼氏だからほかの人よりは平気だったんじゃないかな」

「…そうだよね。ごめんね、ヒナ。なんか疑った。ほんとごめん。ヒナが嘘なんかつくわけないのにね……ヒナのこと信じてる」




信じてるーーー


その言葉が、まるで刃物のように私の心をえぐった。