「泉…?どうした…っておい、なに泣いて…」



もう、正直わからないよ。


啓介に告白されたとき嬉しかった。


大切な人だし、私も好きって気持ちなんだと思った。



でも、手をつないだり、キスをしたり

触れ合いたいと思うことがどうしてもできない



啓介のことは、家族と同じように好き……


それは―――恋じゃないの――――?




「結弦君…私、すごく嫌だったの…。でも、でも…っ、付き合っているなら乗り越えなきゃいけないん、だよね」

「それは…」

「そう…なんでしょ?」



結弦君の手に触れる。



「結弦君の手は、こんなに温かくて気持ちがいいのに……」

「嫌だったんだよな」

「え?」

「…キスされたの、本当に嫌だった?」

「嫌だったよ!すごく、嫌だっ……んっ」



グイッと顎を持ち上げられ


結弦君と


唇が重なった―――――――



「これも、嫌だった?」



結弦君が言う。



嫌なんかじゃなかった。



どうして―――?



こんなに鼓動が早くなるのもどうして―――?







「結弦君………もう一回…」