「今日風がちょー冷たい。もう完全なる秋だよね」



楓は少し震えながら
「寒い!」
と唸っている。




文化祭が終わってもう一ヶ月。


十月に入ってから急に肌寒くなった。





そして、後夜祭を経て
学校にはカップルが増えたように感じる。





「あー、もう周り見てるとまじでイライラする」




楓はシャーペンの芯をグリグリ机に押し付けて怒りを顕にしている。



というのも、ちょうど先週
純也先輩が他の女の先輩と歩いているのを目撃したんだとか。





「純也先輩とちゃんと話したの?」



私が聞くと、



「話すことないし!!!!」



相変わらず頑固な楓。




純也先輩はチャラいけど
楓のことはすごく大事にしてたように思えた




なにか理由があると思うけど、
今の楓はそんなの聞く耳を持たない。