「……」


「…ふふ

上手く変装しているようですが、オーラが隠せていませんよ?」



「……彼女は本当に一般人だ

彼女を自由にさせてやるためにやっていることだ

深読みはするな」


「…ヤクザに関わって自由になどなれないでしょうがね」


「…とにかく俺たちと彼女と関係は希薄だ

今後彼女を襲っても俺たちには意味がないと思え

これで失礼する。」



男を目で牽制し瀬尾組の屋敷を後にした。



今度瀬尾組がどう出るか気がかりだ。隼人に瀬尾組の動向調査をさせる必要が出てきた。



それより結愛のことだ。自由にしてやるつもりがしばらくは自由にしてやれない事態になった。


瀬尾組が結愛を標的にしてくる可能性がある。


屋敷から出てしばらく離れたところに組員が控えていた車に乗り込んだ。



「…病院に向かってくれ」



「承知いたしました」



結愛は今頃どうしているだろうか。そろそろ目は覚めただろうか。



彼女のことが気になって、どうしようもない。



早く、早く、


結愛に会いたい…。