僕と目があい、はた、と止まる彼女。

動揺する彼女に、僕は笑いかける。


「それ、もしかして誘ってる?」


「えっ?!そ、そういうつもりじゃ……」


慌てて答える彼女は、目が泳いでいる。

僕は、ぷはっ!と吹き出し、笑いながら彼女を見つめた。


「いいよ。一緒に行こうか。」


「えっ!!」


「エラが僕でいいなら、だけど。」


「もちろん!っ、いいに決まってるよ…!!」


彼女は、満面の笑みを浮かべて頷いた。

自然な表情を僕に見せてくれるようになった彼女が、とても愛おしく思えた。

彼女はワクワクしながら手帳を取り出し、「日曜は全部空いてるから…っ!」と僕に見せる。

そんな彼女にくすくすと笑う僕が日にちを指定すると、彼女は色ボールペンでぐるぐるとその日を囲み、「忘れないでね!」と僕に念を押した。

彼女は純粋に映画を楽しみにしているように見えたが、僕からすれば、初めて大学以外で彼女に会えることが嬉しかった。