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“きっと、また”


そんな言葉を交わし、エラと別れて1ヶ月が経った。

ひどく、長い日々だった。

毎日図書館に通い、興味もない文献を漁って時間を潰しながら彼女を待った。

我ながら女々しい。

しかし、いくら探しても、彼女の影は見えなかった。


“シオリビトとの仕事は不定期なの。…約束はできないけど…”


彼女は、必ず人間界にまた来る。

僕は、そう信じて疑わなかった。

だが、現実はそう甘くない。


──ぱらり。


めがね越しに、カタイ文章を読み進める。

…と、その時だった。


…ブー…、ブー…


(?)


不意に、ポケットの中でスマホが鳴った。

バイブの音に、はっ!とする。

画面に表示された名前を見た瞬間、僕は目を見開いた。


「っ、もしもし?エラ…?!」


ここが図書館であることが頭から飛んでいた。

全ての神経がスマホの向こうに集中する。


「エラ?どうした?…エラ?」


何も聞こえない。

しかし、電話は繋がったままだ。