謎の理屈だ。
でも、千帆には、涼磨を不快させるだけの態度を採っている自覚がある。
那央の言うように、きっぱりと拒絶することもなく、前向きに考えることもせず、ふらふらと今日もついてきてしまった。それなのに、話を盛り上げることさえしていない。
少しは涼磨の意見も取り入れるべきだろう。涼磨は、千帆の要望通り、おいしい紅茶を飲ませてくれた。
「……涼磨さんは」
たった一言そう言うだけで、もう二度と立ち上がれないような疲労感に襲われる。
「なに?」
「……なぜ……結婚したいんですか」
――なんで、私なんですか。
そうとは言えずに、少しだけ矛先を変える。
「君は、なぜ? まだ若いだろう」
「本当に結婚したいなら、早めに考えた方が良いと言われました。姉とか従姉妹とか、みんな独身で。婚活もしているんですが、うまくいってなくて」
「なるほど」
「私は、このとおり地味で、もてたこともないですから、このままいけばずっと独身だと思うんです。でも、自分の家庭を作りたいんです。自分が育った家みたいに、小さくても温かい家を」
でも、千帆には、涼磨を不快させるだけの態度を採っている自覚がある。
那央の言うように、きっぱりと拒絶することもなく、前向きに考えることもせず、ふらふらと今日もついてきてしまった。それなのに、話を盛り上げることさえしていない。
少しは涼磨の意見も取り入れるべきだろう。涼磨は、千帆の要望通り、おいしい紅茶を飲ませてくれた。
「……涼磨さんは」
たった一言そう言うだけで、もう二度と立ち上がれないような疲労感に襲われる。
「なに?」
「……なぜ……結婚したいんですか」
――なんで、私なんですか。
そうとは言えずに、少しだけ矛先を変える。
「君は、なぜ? まだ若いだろう」
「本当に結婚したいなら、早めに考えた方が良いと言われました。姉とか従姉妹とか、みんな独身で。婚活もしているんですが、うまくいってなくて」
「なるほど」
「私は、このとおり地味で、もてたこともないですから、このままいけばずっと独身だと思うんです。でも、自分の家庭を作りたいんです。自分が育った家みたいに、小さくても温かい家を」



