「ほら着いたよ、鍵は?」

私はバックから鍵を取り出すと、その人がドアを開けてくれて、靴もライダースを脱がせてくれて、私をベットに寝かせてくれた。

ああこの人は何もしないんだと思ったら、安心してそのまま眠りについた。





夜中に目が覚めると、ベットに寄りかかりながら、私の枕元で何故かエイジが眠っていた。


ああそうか、エイジだったんだって思ったら、何だか嬉しくてそのまま頭を撫でてあげる。


「あ、起きたの?大丈夫?」

目をこすりながらエイジも起きると、楽しそうに笑った。


「なんかゴメン、ありがとう。」

何だか今更照れくさくなって、目がうまく合わせられなかった。


「やっと見つけたと思ったら、寝てるんだもん。」



エイジはずっと嬉しそうに私を見つめてくれて、軽く私の頬をつねってくる。

「俺来てるってわかってたでしょ、何でいつも逃げるの?」


私はうまく答えられなくて、エイジの頬をお返しに軽くつねった。



それはずっと、夢中になっていてほしいからだよ・・・




「エイジは学校とかで彼女居ないの?」

「居ないよ。」

「なんで?」

「だって、好きな子なんて居ないもん。」

「きっとこれから出会うよ・・・」





言霊って怖いな・・・ 


あんなこと言うんじゃなかったって思ったのは、まだちょっと先のことだった。