あれは、放課後のこと。

私はゴミ捨ての当番だったんだけど、そこで階段を下りていてそこで男子とぶつかって落ちそうにな

るの。

そこで、終くんに助けてもらって。

「危なかったな……。大丈夫か?ケガしなくてよかった。」

「あっ……。はい。ありがとうございます。」

「敬語使わなくていいよ。渡辺さん。」

「え…?どうして、私の名前知って…?」

私は、不思議そうな顔をした。

「なんでって…。クラスメイト年だし!当たりまえだろ!」

「そうだね。わ…分かった。今度からため口でしゃべるね。ありがとう。」

その時、終くんの微笑んだ顔が忘れられなくて……。

それで、好きになった感じかな……?

話が終わって霧は少し嬉しそうな顔をしていて、見てるとこっちまで嬉しくなってしまった。

「だからね!恵梨香が終くんのこと好きじゃないなら私に協力してほしいの!どう…かな?」

その時、私は「うん。」と答えようとしたその時、後ろから誰かが抱き着いてきた。

「え!?!?!?だだだだ誰!?」

私は、慌てながら見ると抱き着いていた相手は終だった。

やばい!!!

この状況はとてつもなくやばい!!!

終の事が好きな霧の前で、好きでもない女と抱き着いてる光景なんて見たらショックに決まって

る!!

「な…何してるの!?終!」

私は、必死に暴れた。

「何って……。さぁ?」

「自分でも分かんないの!?」

「怒ると血圧上がるよ?」

「やかましい!!」

私は、抵抗したが終は抱き着くのをやめない。

「あ……あの!!」

霧は、立ち上がり終に話しかけた。

「今度二人で出かけない?終くん!」

ズキンッ

……?

何、胸が痛い?

いやいや、そんなこと考えてる場合じゃない!話を盛り上げなきゃ!

「よかったじゃん終!こんな可愛い子に誘われるなんて!」

私は、悪戯気に言った。

「ごめん。俺渡辺さんと一緒に出掛けられない。」

ーーーーえ?

私は、思わず固まってしまった。

「ど……どうして?それとも、他に好きな人でもいるの?」

霧は、声を震わせながら言った。

「うん。いるよ。」

その言葉に、霧は走ってどこかに行ってしまった。

「待って!!霧!!」

私は、霧の後を追いかけた。

今までずっと隣で見てきた終に好きな人がいたなんて……。

そして、終が断った瞬間何故か安心した気持ちになってしまった自分に少し罪悪感が

あった。

なんで、あの時安心したんだろう……?