「ここって、慎一が私に付き合おうって言ってくれた店だよね? 覚えてる?」
「あ、あぁ、覚えてるよ」
私に言われて慎一は慌てて思い出したように返事をする。
「慎一? どうかした?」
さきほどからなんとなく違和感があった。それにどこか上の空だし。
「いや、どうもしないよ。ただ、あの時どこの席だったかなぁって、考えてただけ」
あぁ、そうか、席のことを思いだしてたんだ。確か告白された席はもっと窓際だった。
『松川さん、よかったら僕と付き合って欲しいんだ』
耳まで真っ赤にしながら慎一が私に告白してきたシーンをしみじみ思い出す。私もその時はすでに慎一のことを意識していたから、両想いになれてすごく嬉しかった。
慎一が新しくできたイタリアンがあるから一緒に行かないかって、仕事で失敗して落ち込む私を笑顔で連れ出してくれて……告白されて、付き合って、そしてきっと慎一はここでこの日にプロポーズをしようとしているはずだ。そんな気がする。朝だって口数が少なくて様子が変だった。
その証拠に、なんだかさきほどからそわそわと落ち着かない。そんな彼に気づいていたけれど、彼にも彼なりの心の準備というものがあるのだ。気がつかないふりをして気長に待とう。
「あ、あぁ、覚えてるよ」
私に言われて慎一は慌てて思い出したように返事をする。
「慎一? どうかした?」
さきほどからなんとなく違和感があった。それにどこか上の空だし。
「いや、どうもしないよ。ただ、あの時どこの席だったかなぁって、考えてただけ」
あぁ、そうか、席のことを思いだしてたんだ。確か告白された席はもっと窓際だった。
『松川さん、よかったら僕と付き合って欲しいんだ』
耳まで真っ赤にしながら慎一が私に告白してきたシーンをしみじみ思い出す。私もその時はすでに慎一のことを意識していたから、両想いになれてすごく嬉しかった。
慎一が新しくできたイタリアンがあるから一緒に行かないかって、仕事で失敗して落ち込む私を笑顔で連れ出してくれて……告白されて、付き合って、そしてきっと慎一はここでこの日にプロポーズをしようとしているはずだ。そんな気がする。朝だって口数が少なくて様子が変だった。
その証拠に、なんだかさきほどからそわそわと落ち着かない。そんな彼に気づいていたけれど、彼にも彼なりの心の準備というものがあるのだ。気がつかないふりをして気長に待とう。



