「あ! いた! 見つけた!」

まさかとは思ったけれど、目の前にイケメンのくせに仏頂面で、眼鏡をかけると少し神経質そうな顔立ちをした彼が立っていた。

「剣持部長!」

「往来で大きな声を出すな」

つい周りが見えなくなってしまった私に剣持部長が眉間に皺を寄せてたしなめる。

「なんで帰っちゃうんですか? 何も言わずにお金だけ払って……みんな歓迎会だって部長のこと待ってたんですよ?」

すると、剣持部長が面倒くさそうに私から視線を逸らす。

「だから言っただろう。俺はそういうの、興味ない」

相変わらずそんな憎まれ口を言ってくる剣持部長にムッとする。