クールな部長は溺甘旦那様!?

剣持部長は食堂のおばちゃんからハンバーグ定食の載ったトレーを受け取って窓際の席に座った。すると、話をするチャンス、とばかりにさっそくどこの部署かわからない女子社員数名が剣持部長の周りに集まりだす。

「剣持部長ですよね? 今日から初出社ですか?」

「そうだけど」

「あの、もしなにかわからないことがあれば、聞いてくださいね」

「あぁ」

愛想笑いするどころか仏頂面をしているにも関わらず、女子社員たちはキャッキャしている。

「あの、剣持部長、歓迎会のことなんですけど!」

ぼーっとしている場合じゃない。群がる女子社員の中に切り込むように入ると、彼女たちは私を軽く睨んでさっとその場を後にした。睨まれようが、まだこの男から返事をもらっていないのだ。