ハァ、じゃあ、新しく来て早々の部長に私は社員証を失くした始末書を提出しなければならないのか……そんなの絶対印象悪いじゃない!
その必然に、私はガクリと肩を落としてうなだれた。
私は河辺部長が大嫌いだった。いつもうっすら禿げた頭に油が浮いていて、この営業部に女性は内勤、男性は外回りというスタンスを植え込んだのも河辺部長だった。もっと企業コンペに参加して契約を取って、バリバリの営業ウーマンとして仕事がしたいのに、そんな私とは馬が合わなかった。それに、河辺部長は私にとってトラウマの人でもある。
「ほら、あの人が新しい部長じゃない? 嘘、めちゃ若くてカッコイイんですけど! 莉奈、ブリーフィング始まったよ」
「うん、わかっ――ッ!?」
ツンツンと肘で突っつかれて、俯いていた顔をゆっくりあげると専務の横ですっと姿勢を正して立っている、しかも見覚えのある人に私は思わず声を上げそうになった。
「今ここにいる社員だけ先に紹介しよう、今日から本社の統括営業部長に就任した剣持君だ」
「剣持優弥ケンモチユウヤです。今日からよろしくお願いします」
黒縁で細身のスクエアフレームの眼鏡をかけたその人は剣持優弥と名乗り、ペコリと営業部社員に一礼した。
な、ななななんで!? あのキス男がここにいるの!?
その必然に、私はガクリと肩を落としてうなだれた。
私は河辺部長が大嫌いだった。いつもうっすら禿げた頭に油が浮いていて、この営業部に女性は内勤、男性は外回りというスタンスを植え込んだのも河辺部長だった。もっと企業コンペに参加して契約を取って、バリバリの営業ウーマンとして仕事がしたいのに、そんな私とは馬が合わなかった。それに、河辺部長は私にとってトラウマの人でもある。
「ほら、あの人が新しい部長じゃない? 嘘、めちゃ若くてカッコイイんですけど! 莉奈、ブリーフィング始まったよ」
「うん、わかっ――ッ!?」
ツンツンと肘で突っつかれて、俯いていた顔をゆっくりあげると専務の横ですっと姿勢を正して立っている、しかも見覚えのある人に私は思わず声を上げそうになった。
「今ここにいる社員だけ先に紹介しよう、今日から本社の統括営業部長に就任した剣持君だ」
「剣持優弥ケンモチユウヤです。今日からよろしくお願いします」
黒縁で細身のスクエアフレームの眼鏡をかけたその人は剣持優弥と名乗り、ペコリと営業部社員に一礼した。
な、ななななんで!? あのキス男がここにいるの!?



