「取り込み中だったか? 優弥」
ドアがノックされたかと思うと、黒のモーニングコートにコールズボン、レジメンタルタイを合わせた貫禄のある六十代くらいの男性が部屋に入ってきた。そして、すぐ後ろには正装した重森さんの姿。
「親父……」
優弥さんが目を見開いて驚きを隠せない顔をしている。目の前に現れたのは、剣持健太郎。優弥さんの父、その人だった。
初めて会う優弥さんのお父様は、会社の社長らしくきりっとした佇まいで彼と同じく身長もある。厳しさを交えた目元は、よく見ると優弥さんによく似ている。
「あなたが優弥の妻、莉奈さんか?」
お父様は部屋に入ってくるなりすぐに私を見た。優弥さんの優しさにとろけた身体が一気に緊張する。
「はい。お初にお目にかかります。莉奈です」
恭しく頭を下げると、お父様は明るく笑って言った。
「そんな固くなる必要はない。優弥に「結婚を認める気があるならここへ来い」と先日いきなり言われて、あの優弥がそこまで執着する女性に興味が湧いた。勝手なことをして、と腹ただしくもあったが……重森に一喝されてしまってな」
あはは、と笑いながらお父様が後ろにいる重森さんをチラリとみる。
ドアがノックされたかと思うと、黒のモーニングコートにコールズボン、レジメンタルタイを合わせた貫禄のある六十代くらいの男性が部屋に入ってきた。そして、すぐ後ろには正装した重森さんの姿。
「親父……」
優弥さんが目を見開いて驚きを隠せない顔をしている。目の前に現れたのは、剣持健太郎。優弥さんの父、その人だった。
初めて会う優弥さんのお父様は、会社の社長らしくきりっとした佇まいで彼と同じく身長もある。厳しさを交えた目元は、よく見ると優弥さんによく似ている。
「あなたが優弥の妻、莉奈さんか?」
お父様は部屋に入ってくるなりすぐに私を見た。優弥さんの優しさにとろけた身体が一気に緊張する。
「はい。お初にお目にかかります。莉奈です」
恭しく頭を下げると、お父様は明るく笑って言った。
「そんな固くなる必要はない。優弥に「結婚を認める気があるならここへ来い」と先日いきなり言われて、あの優弥がそこまで執着する女性に興味が湧いた。勝手なことをして、と腹ただしくもあったが……重森に一喝されてしまってな」
あはは、と笑いながらお父様が後ろにいる重森さんをチラリとみる。



