クールな部長は溺甘旦那様!?

「ッ――な、なにす……んッ」

顎を捉えられて、強引に上を向かされた私の唇に、なにか温かなものを感じた。ふわりと爽やかなそれでいて大人っぽいフレグランスの香りが鼻腔を掠め、脳内が麻痺したようになる。いったい私の身に何か起こったのか、ショートして弾けた思考回路で考えることは不可能だった。

見開いた視線の先に顔面蒼白になって小刻みに震えている真理絵の姿が見える。そして、近距離になぜか剣持さんの長いまつげが見えた。

え? な、なに? 私、もしかして……キス、されてる!?

その長い睫毛の向こうで、うっすら開いた瞳が意味深に笑ったような気がした。放心状態になった私から、すっとそのぬくもりが離れる。

「こういうことだから、わかった? お引き取り願おうか、お嬢さん」

剣持さんは横目で棒立ちになっている真理絵に言うと、彼女は唇をフルフルと震わせた。