クールな部長は溺甘旦那様!?

「いいえ、退院します。お世話になりました」

「本当に大丈夫ですか? 何かあったんじゃ……」

私の泣き顔がよほど気になったのか、彼女はもう一度私に尋ねた。こんな時に、誰かに優しくされたらまた泣きたくなってしまう。

「私、なんか失恋しちゃったみたいで……退院の日に最悪ですよね」

何言ってるんだろう、私……こんなプライベートなこと言われたって、島谷さんだって困るだけなのに。
あはは、と明るく苦笑いして私はさっそく荷物をまとめ始めることにした。

「失恋……ですか」

すると、彼女がカルテを両腕に抱いて視線を落とし、なにかを思い出すかのようにぽつりと呟いた。

「実は私も先週、彼氏から振られてしまって……」

「え?」

思わぬ発言に荷物をまとめる手が止まる。