クールな部長は溺甘旦那様!?

深々と頭を下げる重森さんに意味が分からず目が点になっていると、重森さんが徐に鞄から何かを取り出した。折り目が付かないように丁寧に透明のファイルに挟まれたそれを受け取って見ると、短く息を呑んで私は全身をこわばらせた。

り、離婚……届――?

婚姻届も見ないうちに結婚してしまったけれど、同じく離婚届も見るのは初めてだった。だから、これが本当に離婚届であるかどうかの判断もつかない。

どうして重森さんがこれを私に?

こんな物をいきなり突き付けられても、ただただ放心状態になるしかなかった。

嘘……だよね? どうして?

受け入れがたい現実だった。なぜなら、剣持部長の筆跡ですでに氏名、住所、本籍地、その他の記入欄が書き込まれていて、左下に署名と捺印が押してあったからだ。

「どういう、ことですか……これ」

何かの冗談だと言ってほしい。自然と滲み出る涙を堪えていると、重森さんが申し訳なさそうに同情の色を浮かべる。