「はい。そうですけど……あの、よかったら中へどうぞ」
「失礼いたします」
廊下で立ち話をするわけにもいかないし、私が部屋へ案内すると彼は丁寧に会釈した。
「お休みのところ不躾な来訪をお許しください。私、エージンホールディングス代表取締役の秘書をしております重森と申します」
内ポケットから名刺入れを取り出し、一枚すっと私に差し出す。
エージンホールディングス代表取締役社長秘書……重森敦也――。
エージンホールディングス……? って、もしかして!! 確か剣持部長のお父様の会社だったよね、重森さんはそのお父様の秘書ってこと?
その名刺を手に取りながら、思い当たる節がある。と目を見開いている私に重森さんがゆっくり頷いた。
「そのご様子だと、弊社のことをご存知のようですね」
「え、ええ」
重森さんに椅子を勧めると「失礼して」と礼儀正しく頭を下げ、私もベッドの縁に腰掛けた。
「このような場所でお話する内容ではないのは重々承知の上なのですが、なにぶん急ぎでして……ご容赦ください。あなたは今現在、優弥さんの“妻”ということでよろしいですか?」
「そう、ですけど……」
重森さんの質問に違和感を覚えながら返事をすると、彼は深く嘆息した。
「こちらも役所で調査したところ、優弥さんと婚姻関係であることを確認いたしまして……優弥さんがいったい何をお考えになったのか存じませんが、この度は本当に申し訳ありませんでした」
え? 申し訳ありませんでした? って? なんのこと……?
「失礼いたします」
廊下で立ち話をするわけにもいかないし、私が部屋へ案内すると彼は丁寧に会釈した。
「お休みのところ不躾な来訪をお許しください。私、エージンホールディングス代表取締役の秘書をしております重森と申します」
内ポケットから名刺入れを取り出し、一枚すっと私に差し出す。
エージンホールディングス代表取締役社長秘書……重森敦也――。
エージンホールディングス……? って、もしかして!! 確か剣持部長のお父様の会社だったよね、重森さんはそのお父様の秘書ってこと?
その名刺を手に取りながら、思い当たる節がある。と目を見開いている私に重森さんがゆっくり頷いた。
「そのご様子だと、弊社のことをご存知のようですね」
「え、ええ」
重森さんに椅子を勧めると「失礼して」と礼儀正しく頭を下げ、私もベッドの縁に腰掛けた。
「このような場所でお話する内容ではないのは重々承知の上なのですが、なにぶん急ぎでして……ご容赦ください。あなたは今現在、優弥さんの“妻”ということでよろしいですか?」
「そう、ですけど……」
重森さんの質問に違和感を覚えながら返事をすると、彼は深く嘆息した。
「こちらも役所で調査したところ、優弥さんと婚姻関係であることを確認いたしまして……優弥さんがいったい何をお考えになったのか存じませんが、この度は本当に申し訳ありませんでした」
え? 申し訳ありませんでした? って? なんのこと……?



