クールな部長は溺甘旦那様!?

もらえるものならもらってしまえ! という貧乏性な私は、わかりましたと首を縦に振った。

「物分りがよくて助かる。こっちだ」

そう言うと、彼は私を部屋の前まで案内した。

最上階にあるロイヤルスウィートは、静かで廊下には品のある装飾品が飾られていた。初めてくるリッチな聖域に、人知れず緊張してしまう。

「あの、もしかしてここのロイヤルスウィートの部屋、あなたが今夜泊まろうとしていたんじゃないですか?」
部屋の手前に着くとふと私は尋ねた。今夜は予約でいっぱいだと言われたし、もしそうだとしたら気が引ける。

「別に、この部屋に泊まらなくても俺は困らない」

そんなふうに淡白に言われると、本当の彼はそっけなくて冷たい人なのかもしれないと思ってしまう。だとしたらなんとなく少し残念な気持ちになる。