「剣持さんに連絡が行ってなかったってこと?」
「はい。今回の企画書は私も共同でしたけど……私も聞いてなくて、うちの男性社員からコンペの三日前にその話を聞かされました」
前野さんはしばらく考え込むようにして黙っていたけれど、沈黙を破って口を開いた。
「そういえば、部下が連絡を入れた時に、剣持さんが不在で同じ営業部の影山さんにその旨を伝えたって言ってたけど……」
「え……?」
連絡を受けたのって、影山君だったの……?
影山君も人間だ。大事なこととはいえ、うっかり伝え忘れていた可能性は無きにしも非ずだ。けれど、仕事にそつのない彼に限ってそんなことあるわけない。前野さんの話を聞いて影山君に対する疑惑がじわじわと沸き起こってくる。なんとなく、伝え忘れが意図的なものに思えてならないのだ。
「松川さん?」
「あ……すみません、ぼーっとしちゃって。今回のことはうちの部署内での連絡ミスですね」
怪訝そうに私を見つめる前野さんに笑って見せる。彼女も安心したようにふっと笑った。けれど、ふとその表情が陰る。
「一年前のCM契約のことだけど……本当にごめんなさい。あなたにずっと謝りたかった。あのね、今更だけど……白紙に戻す判断は私じゃなくて、実は父の意向だったのよ」
「え?」
「はい。今回の企画書は私も共同でしたけど……私も聞いてなくて、うちの男性社員からコンペの三日前にその話を聞かされました」
前野さんはしばらく考え込むようにして黙っていたけれど、沈黙を破って口を開いた。
「そういえば、部下が連絡を入れた時に、剣持さんが不在で同じ営業部の影山さんにその旨を伝えたって言ってたけど……」
「え……?」
連絡を受けたのって、影山君だったの……?
影山君も人間だ。大事なこととはいえ、うっかり伝え忘れていた可能性は無きにしも非ずだ。けれど、仕事にそつのない彼に限ってそんなことあるわけない。前野さんの話を聞いて影山君に対する疑惑がじわじわと沸き起こってくる。なんとなく、伝え忘れが意図的なものに思えてならないのだ。
「松川さん?」
「あ……すみません、ぼーっとしちゃって。今回のことはうちの部署内での連絡ミスですね」
怪訝そうに私を見つめる前野さんに笑って見せる。彼女も安心したようにふっと笑った。けれど、ふとその表情が陰る。
「一年前のCM契約のことだけど……本当にごめんなさい。あなたにずっと謝りたかった。あのね、今更だけど……白紙に戻す判断は私じゃなくて、実は父の意向だったのよ」
「え?」



