クールな部長は溺甘旦那様!?

「……そこで、広告費用の削減というニーズにお応えするため、弊社の提案としましては、“親近感のあるティアラ”というキャッチフレーズを元にし、花嫁に起用するモデルを事務所からではなく、一般公募で応募することによってコスト削減を狙いたいと思っております」

私たちの渾身の策案が剣持部長の口から語られると、会場から自然と感嘆の声が漏れた。

クライアントの予期せぬ予定変更に頭を悩ませていた時、剣持部長がモデル費用を削減するのはどうしたらいいか、と私に尋ねてきた。彼はモデル費用の項目に目をつけていたようで、私はその時ふとドレスを買ってもらった店で自分がウェディングドレスを着たことを思い出した。

花嫁のモデル費用は一般公募で集えばほぼゼロになる。ふっと思い立った私の思いつきだったけれど、それを聞いた剣持部長は一蹴することなく「なるほど、その案を検討しよう」と頷いてくれた。

誰だって花嫁には憧れるし、モデルが一般人ということで、その広告にも親近感が沸く。ということは新商品であるティアラにも興味を持ってもらえるのではないかと考えた。

剣持部長のプレゼンを聞いていたメフィーアの社長もうんうんと満足気だ。そんな中、スクリーンの前に立つ剣持部長と目が合った。

大丈夫です! しっかり見届けますから!

と私がその視線に応えるように小さく頷くと、彼がやんわりと口元を緩めた。

やった! インパクト大! 先方にも好印象みたい……ん?