クールな部長は溺甘旦那様!?

そうこうしているうちに、取締役社長をはじめメフィーアの上層部の面子が集まって準備が整うと、次々と各社の発表が始まった。

予算を削減するといった変更を踏まえて、どの会社も企画書を練り直してきたようで、どれも劣らずなるほどと思わせるような提案ばかりだった。そしてついに私たちの順番が回ってきて剣持部長がスクリーンの前に立つと、全員が彼に注目した。

「あれって、剣持だよな?」

「ほんとだ、アルテナの本社勤務になったって噂で聞いてたけど……はぁ、こりゃ負けかもな」

剣持部長のプレゼンの最中、後ろの席に座っていた別会社の男性社員がこそこそとしゃべっているのが聞こえて、私は思わず聞き耳を立ててしまった。

「だって、参加したコンペで負け知らずだろ、あの人」

「ったく、まるで出来レースだな」

出来レースだって? そんなことないのに!

今までどんな思いで剣持部長がこのコンペのためにやってきたか知らないくせに、勝手なことを言われて腹が立った。