クールな部長は溺甘旦那様!?

「剣持部長……私」

どんなことを言われようと拒否されようと、合理的な夫婦だったとしても私は彼が好きだ。思い余って私は、なにを突っ立っているんだ、と怪訝に私を見つめる剣持部長にしがみついた。

「なっ……なにをしているんだ、君の身体が濡れるだろう」

咄嗟の私の行動に剣持部長が困惑している。

「昨日は、すみませんでした。ついカッとなってしまって……結婚式がどうのこうのって話も忘れてください」

すると、彼の小さなため息が聞こえてふと顔をあげる。

「いや、謝らなければならないのは俺のほうだ。すまない。話を聞くと言っておきながらあんな言い方を……君の言うとおり、言動が矛盾していた」

ためらいつつも剣持部長の手が私の肩に載せられる。そしてしがみつく私に応えるように、手を背中に回してその腕でぎゅっと私を引き寄せた。

「……正直言うと、俺は嫉妬していたんだ」

「嫉妬……?」

剣持部長が嫉妬って? どういうこと?

見上げると、彼はバツが悪そうに顔を歪ませてほんの少し唇を噛んでいる。