クールな部長は溺甘旦那様!?

「その人のこと、初めは嫌だったかもしれないけど……実は好きになっちゃったんでしょ?」

姉は俯いていた顔をすっとあげると意外にも顔を和らげていた。怒られると思っていたからなんとなく拍子抜けしてしまう。

女の勘というのは時に鋭く恐ろしい。言葉に詰まっている私を見て、姉は「図星なんだ」と言ってニッと笑った。

「怒るもなにも、もう結婚しちゃったなら仕方ないじゃない。今だから言えるけど、私、初めは隆人さんのこと大嫌いだったの」

「え……?」

あんなにラブラブなのに、隆人さんのことが嫌いだったなんて想像もつかない。
今は愛する旦那様になった隆人さんとの出会いを懐かしむように、姉はしみじみと話を続けた。

「俺様だし、強引だし、勝手だし、絶対こんな人好きにならないって思ってたけど……不思議と目を引く人でいつの間にか好きになってた。話を聞く限り、莉奈のケースとは違うかもしれないけど、気持ちなんて後から追いついていくこともあるんだよ。現に莉奈だってその彼のこと好きなんでしょ?」

姉は腕を組んだ両肘をテーブルについてぐいっと前のめりになる。覗き込んでくるその目に、私は誤魔化すことができなくなってしまった。