クールな部長は溺甘旦那様!?

「おっはよ、松川さんコーヒー?」

「うん、仕事前に頭をすっきりさせようと思って」

「じゃ、俺もコーヒーにしようかな。外出前にシャキッとしないとね」

そう言って影山君がニコリとすると、私も自然と笑みを浮かべた。

あれ? 剣持部長は? さっきまでここにいたよね?

気がつくと、すぐ後ろに感じていた剣持部長の気配がいつの間にかなくなっている。
そして振り向いた先に目をやると、廊下の角を曲がる彼の背中が見えた。

「どうかした?」

「え? ううん、なんでもない」

怪訝そうに尋ねる影山君に私は首を振って見せたけれど、結局、剣持部長と話すタイミングを失ってしまった――。