クールな部長は溺甘旦那様!?

「わかりました」

――あまり遅くなるな。

剣持部長のそばを離れてオフィスを出ても、その言葉がずっと頭の中を旋回していた。私と剣持部長は夫婦として一緒に住んでいる。一人暮らしの時とは違って、誰かが自分の帰りを待っていてくれる。

結婚生活って、こんな感じなのかな……。

そう思うとこそばゆくて、なんだか顔がにやけてしまう。ポケットに手をいれると、そこには結婚指輪がある。会社では内密な関係だからはめられないけれど、自分の気持ちに気が付いてからというもの、肌身離さず持ち歩くことにしていた。