クールな部長は溺甘旦那様!?

時刻は二十時。

今日一日、ずっとメフィーアのことだけに集中したおかげで、剣持部長に提出できそうな企画書が三案くらいできた。亜美は一足先に居酒屋に行って席を確保してくれている。影山君は外出先から直接来るようだ。

「お疲れ様です。剣持部長」

帰りがけにデスクに座って眼鏡をかけ、真剣な顔でパソコン画面を見つめている剣持部長に声をかける。

「企画書の進み具合はどうだ?」

「もう一度確認して明日には提出できると思います」

「へぇ、さすが仕事が早いな」

剣持部長は私に目を合わさずにキーボードをブラインドタッチしている。剣持部長がまだ仕事が終わらないのに、自分は飲みに行く心苦しさが湧き起る。

「何をしている? 飲みに行くんだろ」

すると、いつまでもデスクの横に立っている私を怪訝に思ったのか、剣持部長が手をとめて私をチラリと見た。