お互いの気持ちがすれ違っている。こんなもどかしい思いは初めてだ。元彼の慎一の時みたいに潔く引き下がることができればいいのに。剣持部長への気持ちは意に反してどんどん大きくなっていくのがわかる。再び訪れる沈黙にどうしようと思っていると。剣持部長がおもむろに口を開いた。
「今日の午後、メフィーアの商品開発の担当と会ってきたんだ」
「え? そうだったんですか?」
どおりで一日中顔を見なかったわけだ。
突然、剣持部長の口から仕事の話が出て、私はモヤモヤとしたものを頭の片隅へ追いやって気持ちをさっと切り替えた。
「新商品の詳細がわかった。その資料をもらってきたから君も目を通しておいてくれ」
剣持部長がファイルされた資料を鞄から取り出すと、どさっと私の膝の上に置いた。かなり細かな資料のようで重みもあって分厚い。さっそくファイルを開いてみると、煌びやかなティアラのデザイン画像が目に入った。
「ロイヤルクイーンティアラ……」
「今日の午後、メフィーアの商品開発の担当と会ってきたんだ」
「え? そうだったんですか?」
どおりで一日中顔を見なかったわけだ。
突然、剣持部長の口から仕事の話が出て、私はモヤモヤとしたものを頭の片隅へ追いやって気持ちをさっと切り替えた。
「新商品の詳細がわかった。その資料をもらってきたから君も目を通しておいてくれ」
剣持部長がファイルされた資料を鞄から取り出すと、どさっと私の膝の上に置いた。かなり細かな資料のようで重みもあって分厚い。さっそくファイルを開いてみると、煌びやかなティアラのデザイン画像が目に入った。
「ロイヤルクイーンティアラ……」