クールな部長は溺甘旦那様!?

「あぁ、すまない」

「だ、大丈夫です!」

身長百八十くらいある体躯を屈ませて、彼はぶちまけられたバッグの中身を拾い出した。
いきなり現れた容姿端麗な男性に動揺を隠しきれず、私は慌ててしゃがみこんで床に落ちたものをかき集めた。

「君、ひとり?」

すると、その男の人がナンパの常套句のようなセリフを口にした。

「え?」