「ぷっ……君、自分が今、どんな顔してるかわかるか?」
剣持部長が私の顔を覗き込んで噴き出している。言われなくても、口も眉も歪めてきっと変顔をしているのは鏡を見なくてもわかっている。けれど、このワイン、お世辞でもものすごく美味しいと言えるものではなかった。それに、剣持部長は私がロマネ・コンティなんて飲んだことないのをわかっている。それで、美味しいなんて言ったら上辺だけの嘘だとバレてしまう。
「ロマネ・コンティは飲むワインというより、語られるワインと言われている。君も、この味を覚えておくといい」
「はい。またひとつ大人になった気がします。またパーティとかに言った時に話のネタになりますもんね」
「そういうことだ」
ワインの入ったグラスを片手に、彼はその色味を優雅に眺めている。そんな彼の横顔を見ていると、なんだか彼が自分の夫であるのを忘れてしまいそうだ。
「あの、よかったらケーキ食べます?」
気分が乗ったからといって自分で五号サイズくらいのケーキを作ってみたものの、ひとりで食べきれるか自信がない。
剣持部長が私の顔を覗き込んで噴き出している。言われなくても、口も眉も歪めてきっと変顔をしているのは鏡を見なくてもわかっている。けれど、このワイン、お世辞でもものすごく美味しいと言えるものではなかった。それに、剣持部長は私がロマネ・コンティなんて飲んだことないのをわかっている。それで、美味しいなんて言ったら上辺だけの嘘だとバレてしまう。
「ロマネ・コンティは飲むワインというより、語られるワインと言われている。君も、この味を覚えておくといい」
「はい。またひとつ大人になった気がします。またパーティとかに言った時に話のネタになりますもんね」
「そういうことだ」
ワインの入ったグラスを片手に、彼はその色味を優雅に眺めている。そんな彼の横顔を見ていると、なんだか彼が自分の夫であるのを忘れてしまいそうだ。
「あの、よかったらケーキ食べます?」
気分が乗ったからといって自分で五号サイズくらいのケーキを作ってみたものの、ひとりで食べきれるか自信がない。



