クールな部長は溺甘旦那様!?

「それに、なんて格好してるんだ」

眼鏡のブリッジを押し上げると、剣持部長は気まずそうに視線をそらした。

なんて格好……って?

「きゃああ!」

剣持部長が目をそらしたのは視線のやり場に困っていたからだ。私はバスタオル一枚身につけただけの自分の姿に我に返ると、一気に顔が熱を持った。

「す、すみません!」

光のごとく私はすぐさま脱衣所に戻りドアを閉めると、そのままもたれて乱れる呼吸を整えた。

なんで剣持部長がここにいるの!? び、びっくりした。

とにかく落ち着こう。そうだ、ここは元々剣持部長の部屋で彼は自分の夫だ。ここにいることはなんの不思議でもない。けど、来るなら来るって言ってくれてもいいものを……。

ようやく冷静になると、私は服に着替えてしっとりしたままの髪の毛を結い上げた。そして、甚だしい勘違いをした気まずさに、先ほどの威勢とは違ってしゅんと俯きながら脱衣所を出た。