亜美は私と一緒の時期に中途採用で会社に入った同僚であり友人だ。年も同じだし、なにかと気が合う。彼女とはプライベートで一緒に旅行に行ったり飲みに行ったりする仲だ。栗色のボブヘアに百六十以上のモデルみたいな身長、色白で目もクリッとして愛嬌がある。けれどその可愛らしい顔立ちとは裏腹に、仕事ではストイックで真面目な性格だ。

「そ、彼氏とデートなの、お疲れ様」

私はニコリと笑って、てきぱきと机上を片付け終わると水色の薄手のカーディガンを羽織った。そして、パソコンの電源を落としヒラヒラと亜美に手を振ると、ルンルン気分でオフィスを出た。