「あの……」
「これじゃ、歩くのも辛かっただろ。だいたいこの靴はおろしたてだな? 立食と言っただろう? 履き慣れない靴を履くからだ」
私の失態にぶつぶつと文句を並べながら、剣持部長は眉間を歪ませた。
そんなこと言ったって、靴がなかったんですよ、という言い訳を呑み込んで「ごもっともです」とうなだれた。
「すまないな、早く気づいてやれなくて」
痛々しいものを見る目で剣持部長が消毒液をコットンに含ませて丁寧に拭き取っていく。
「ありがとうございます」
手際よく絆創膏を貼り付けると、彼は最後にぺしっと私の足を軽く叩いた。
「痛っ! もう、なにするんですか」
すると剣持部長は私のむくれ顔を見て小さく笑った。
「それだけの元気があればもう平気だな」
「え……?」
「君、前野さんと何かあったんだろう?」
やっぱり、剣持部長はわかっていた。彼の洞察力にはかなわない。すると再び前野さんのことを思い出して私は顔を曇らせた。
「これじゃ、歩くのも辛かっただろ。だいたいこの靴はおろしたてだな? 立食と言っただろう? 履き慣れない靴を履くからだ」
私の失態にぶつぶつと文句を並べながら、剣持部長は眉間を歪ませた。
そんなこと言ったって、靴がなかったんですよ、という言い訳を呑み込んで「ごもっともです」とうなだれた。
「すまないな、早く気づいてやれなくて」
痛々しいものを見る目で剣持部長が消毒液をコットンに含ませて丁寧に拭き取っていく。
「ありがとうございます」
手際よく絆創膏を貼り付けると、彼は最後にぺしっと私の足を軽く叩いた。
「痛っ! もう、なにするんですか」
すると剣持部長は私のむくれ顔を見て小さく笑った。
「それだけの元気があればもう平気だな」
「え……?」
「君、前野さんと何かあったんだろう?」
やっぱり、剣持部長はわかっていた。彼の洞察力にはかなわない。すると再び前野さんのことを思い出して私は顔を曇らせた。



