クールな部長は溺甘旦那様!?

「なぜそうやって勝手に自分の行動に走るんだ」

大人気ない行動に私は俯いて黙りこくる。

「すみません。私、ちょっと頭冷やしてきます」

言葉が見つからない。やはり謝ることしかできない私は、再び剣持部長の制止を振り切って駆け出そうとした。その時――。

思わぬ強烈な靴擦れの痛みが小指を刺激し、かくんと体勢を崩してしまう。

「きゃ!」

スローモーションのように全身を伸ばしてびたーん! と転ぶ私に、ロビーにいる人たちの視線が集まる。

いったたた……も~、私の馬鹿! 

こんな人前で転ぶなんて恥ずかしすぎる。痛くて情けなくて泣きたい気持ちを、唇を噛んでこらえる。

「まったく、君は何がしたいんだ? ほら、立て」

見ると、剣持部長が屈んですっと手を私に差し伸べている。真っ赤な顔を見られたくなくて、私はぐっと下を向いた。