クールな部長は溺甘旦那様!?

あの人は……嘘、なんでここに?

その女性が私の存在に気がついて、彼女も一瞬目を見張って驚いた表情をした。それに気がついた剣持部長が肩越しに振り向く。

「あぁ、遅かったな」

「……すみません、お待たせしました」

ぎこちない笑顔で彼の横に並ぶ。

剣持部長と話をしているのは、まさに私が契約交渉に失敗したメフィーアの前野塔子さんだった。年は私より確か五つ上で剣持部長と変わらない。ふたり並んでいると、絵に描いたような大人のカップルのようにも見える。クセのない流れるような長い黒髪に、真っ白な肌。

その容姿を活かして自分の会社で発表したブライダル用のアクセサリーのモデルをやったりしている。そして色っぽい眼差しは同性である私も思わずドキドキしてしまうほどだ。