クールな部長は溺甘旦那様!?

そう突っぱねるように言われてしまうとますます気になる。剣持部長が食べないのに、自分がガツガツするわけにもいかない。それに、先程から女性たちの熱い視線をずっと感じていて、やはりそれらはすべて剣持部長に向けられるものだった。

けれど、私がいることで遠慮しているらしく、彼に話しかけるタイミングでも見計らっているのか、なんども私たちの前を行ったり来たりしている。

「剣持部長も気がついてるんでしょう? あの女性も多分、剣持部長と話したがってる感じですけど」

「わかってる、ああいうのが煩わしいんだ。だから君が今、こうして役に立っているだろ?」

役立っていると言われて少し嬉しい反面、表現しがたい空しい感情が湧き起る。

「そうですか、それならよかったで……痛っ!」

体勢を変えたその時、足の小指に鋭い痛みが走った。

気にはなっていたけれど、買ったばかりの慣れないパンプスが実は先程から小指に擦れて、まともに歩くのもやっとなくらいにじんじんと痛くてたまらなかったのだ。