クールな部長は溺甘旦那様!?

なに話してるんだろ、全然わからないよ……。

もっとゆっくり話してくれたら単語くらいは拾えたかもしれない。けれど、剣持部長はネイティブ並の話し方で、相手の人も楽しげに笑っている。

「おい」

話しかけるのは後にしようかな、と思っていると私に気づいた剣持部長が会話を終わらせて歩み寄ってきた。
彼はピンストライプの入った紺色のシングルダークスーツをぱりっと着こなしていて、髪の毛も少し後ろに流し、仕事の時とはまた違った印象を受けた。さりげないポケットチーフに、相変わらずピカピカの靴、どこから見ても完璧な装いだった。

「あぁ、やっぱり俺の見立ては間違ってなかったな、想像通りだ」

剣持部長に思わず見とれていると、彼はつま先から頭のてっぺんまでチェックするように、ドレスを身にまとった私に視線を流してそう言った。

「わざわざ想像しなくても、このドレスを試着した時に見ればよかったんじゃ……」

「先に見てしまっては楽しみがなくなるだろう」

た、楽しみって……私がこのドレスを着るのを楽しみにしてたってこと? そんなふうに思ってたなんて、なんか意外。