渡された資料を元にデータを入力し、書面がようやく出来上がった頃、ふと時計を見るともうすぐで午前０時になるところだった。

思ったよりちょっと時間かかっちゃったかな……。

剣持部長の仕事だから絶対にミスするわけにもいかないし、完璧なものを作りたかった。ちらりと剣持部長を見ると、彼は眼鏡をかけて先ほどとほとんど変わらない姿勢でパソコンを操作している。仕事をしている彼の姿を見ていると、自然にかっこいいと思ってしまう。この人が私の旦那様なんだ。と改めて思うと急に胸がドキドキし始めた時、ふと視線を上げた剣持部長と目が合ってしまった。

「終わったのか？」

「あ、はい！　今、持っていきますね」

ドキドキしてる場合じゃなかった……。

ハッと我にかえると、私は印刷をクリックして印刷された書類を剣持部長のところへ持っていった。

「あぁ、ありがとう、早かったな」

「私の知っている会社ばかりだったので、作りやすかっただけです」

書類を受け取ると、剣持部長は真剣な表情でひとつひとつ丁寧に確認していく。すると……。