「う、嘘……じゃあ、結婚は? そういうつもりじゃなかったの?」
当たり前だけれど、慎一と別れたら結婚どころじゃなくなる。私の思い描いていた未来予想図が徐々に霧散していくのがわかった。
「ほら、そういうところ」
「え?」
慎一が顔を上げると、少し怒ったように眉を曇らせて言った。
「別れようって言ったら、莉奈は結婚できなくなることしか気にしていなかった」
「そ、そんなこと――」
「ないって本当に言えるの? 悲しいって気持ちよりも焦りの方が大きいんじゃない?」
慎一? いったいなにを言っているの? 結婚できなくなって悲しいに決まってるじゃない。心の中でそう言っても、慎一の耳には届かない。
「悲しいって気持ちが莉奈に少しでもあるってわかったら……考え直そうとも思った。けど、僕よりもやっぱり結婚しか見ていない莉奈に自信がなくなった」
「だって、私たち三年も一緒にいるんだよ? その先にあるものを考えないほうが変でしょ? それに、慎一だってそのつもりで同棲までしたんじゃないの? 私は結婚とか考えてたよ」
イライラした。腹ただしかった。慎一が私を試すようなことをしたのもそうだけれど、私の気持ちも無視して別れようなんて、これじゃまるで慎一の自己完結だ。
当たり前だけれど、慎一と別れたら結婚どころじゃなくなる。私の思い描いていた未来予想図が徐々に霧散していくのがわかった。
「ほら、そういうところ」
「え?」
慎一が顔を上げると、少し怒ったように眉を曇らせて言った。
「別れようって言ったら、莉奈は結婚できなくなることしか気にしていなかった」
「そ、そんなこと――」
「ないって本当に言えるの? 悲しいって気持ちよりも焦りの方が大きいんじゃない?」
慎一? いったいなにを言っているの? 結婚できなくなって悲しいに決まってるじゃない。心の中でそう言っても、慎一の耳には届かない。
「悲しいって気持ちが莉奈に少しでもあるってわかったら……考え直そうとも思った。けど、僕よりもやっぱり結婚しか見ていない莉奈に自信がなくなった」
「だって、私たち三年も一緒にいるんだよ? その先にあるものを考えないほうが変でしょ? それに、慎一だってそのつもりで同棲までしたんじゃないの? 私は結婚とか考えてたよ」
イライラした。腹ただしかった。慎一が私を試すようなことをしたのもそうだけれど、私の気持ちも無視して別れようなんて、これじゃまるで慎一の自己完結だ。



