ワイングラスを持っていなくてよかった。きっとするりと手から落ちてパリンと割ってしまっていたに違いない。代わりに口に運ぼうとしていたピザがポトリと皿に落ちた。
「え……?」
い、今……なんて?
ピザを食べる格好になったまま、私は凍りつき、店内のBGMや他の人の喋り声もまったく聞こえなくなった。
ち、ちょっと待って、ここはパカッと小箱から指輪が出てきて「莉奈、結婚しよう」じゃないの? それで私は涙をうっすら浮かべて「うん、うん! 慎一ありがとう、結婚する!」っていう流れじゃないの?
耳を疑うようなその言葉に、私は呆然としばらく固まったまま動けなかった。
「し、慎一? えーっと、今日はエイプリルフールじゃないよ? 笑えない冗談はやめてよね」
あはは、と乾いた笑いで慎一を見る。けれど、彼は私とは違って視線を落とし深刻そうな顔でじっと黙りこくっている。
「え……?」
い、今……なんて?
ピザを食べる格好になったまま、私は凍りつき、店内のBGMや他の人の喋り声もまったく聞こえなくなった。
ち、ちょっと待って、ここはパカッと小箱から指輪が出てきて「莉奈、結婚しよう」じゃないの? それで私は涙をうっすら浮かべて「うん、うん! 慎一ありがとう、結婚する!」っていう流れじゃないの?
耳を疑うようなその言葉に、私は呆然としばらく固まったまま動けなかった。
「し、慎一? えーっと、今日はエイプリルフールじゃないよ? 笑えない冗談はやめてよね」
あはは、と乾いた笑いで慎一を見る。けれど、彼は私とは違って視線を落とし深刻そうな顔でじっと黙りこくっている。



