(……誰もいない) もう皆まで言うまい。 立っていたのは白石淳子だった。 「白石?な、なんか用か」 俺はなんとか平静を保ちつつ、どうにかそう返した。 びっくりした。 声が震えていた。 「やあ。なんかあたしのこと、話してるみたいだったしね。混ぜてもらおうと思って」 (ぎゃあ!) 「は、は?なに言ってんだ。し、白石の話なんてしてないぞ、俺ら」 頭がくらくらする。 俺の顔はいま、真っ青か真っ赤かどっちだ?