「久しぶり」

「十夜様!」


半月ぶりぐらいに現れた十夜に、さくは待ってましたとばかりに御簾から顔を出す。


「顔を見せてもいいの?」

「あ、つい…」

「させないよ」


嬉しくて顔を出したものの、すぐに引っ込んださくを追って御簾を上げた十夜は、寝具の上で恨めしそうにこちらを見上げるさくの姿を見て、神妙な面持ちで息を飲んだ。



「そこじゃゆっくり話せないし、こっちにおいで」


御簾から手を離し、少しした所に腰を下ろした十夜。それにつられてさくもゆっくりと御簾から出ると十夜の前へと座った。



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