嘘つき君と弱虫ちゃん

「あっ!!やべ。教科書忘れた。」

その時、教室にいる女子全員の目つきが変わった。

「あ…あの。杏理君!よかったら教科書貸そうか?」

「はぁ!?何言ってんの杏理君があんたの教科書なんて使うわけないでしょ!」

「じゃあ…私の……!!」

「いや!私のを!!」

突然教科書貸し合戦が始まるのも今日が初めてではない……。

いつも杏理が教科書を忘れるとこうなる。

「ちょっと、みんな杏理君が困ってるでしょ……。」

「いっつもうるさいなぁ。生徒会長さまは!会話に入ってこないで!!」

そう言われ、私は女子に突き飛ばされた。

「いたたたた……。もう、何する…!」

ドンッ!!

杏理は、机を思いっきり叩いた。

「いい加減にしろよ!」

やばい!!

杏理がめちゃくちゃ怒ってる!?

「あ…あのね……。杏理君、これは…その……。」

「人を突き飛ばして謝らないなんてまじ最低だな。」

その言葉に、教室がざわつき始めた。

そして、空気が段々重くなってきた。

「ほら。立てるか生徒会長。」

杏理は、私に手を指し伸ばした。

「あ…ありがとう。」

そう言い私は杏理の手を掴んだ。

「ねぇ。もしかして、生徒会長さま杏理君のこと好きなの?」

「!?」

突然の質問に私は戸惑ってしまった。

「そんなに戸惑るってことは、やっぱり好きなの?」

どうしよう…!

こんな時に好きなんて言ったら杏理が絶対困る!

だからと言って嘘なんてつけないし……!!

「好きじゃないだろ。」

杏理が突然しゃべり始めた。

「もし生徒会長が俺のこと好きでも、俺は好きにならない。」

ズキンッ

あれ…?

胸が痛い……?

「あはははは!そうだよね!そんなことないよね!二人が付き合うとかまじ似合わないし!」

教室は、教室の嵐に包まれてる中私は、胸が痛かった。

「夏織?」

私は、必死に笑顔を作った。

「はい。話が終わったら席ついて。もうすぐ先生来ますよ。」

こうして、なんとか無事好きという気持ちはばれなかったけど、私は少しショックだった。

だって、杏理は私のこと好きじゃないって言われて少し悲しかった。

私は、涙がこぼれ落ちそうになり私は慌てて拭いた。

いけない、いけない!

授業に集中しなきゃ!

そう暗示を唱えながらさっきの事を忘れようとした。