一番の疑問はそこだった。

だって、どこからどう見ても、人間なんだもん。

桜庭くんはコクリと頷いて、



「…今、オオカミの姿に戻ろうと思えば戻れるけど……」



なんて事を言ってきた。

ふと見ると、桜庭くんのお尻からはフサフサのかわいい尻尾が生えてきていた。





こ、これは夢か幻か…!?
いや、疲れてるのかな、私…





これが現実に起きている事なんて、俄にも信じ難かった。

でも…



「好きなんだ。…好きでいちゃダメかな?」


「…う」



女子からモテモテのイケメンさんが、グイッと距離を詰めて言い寄ってくるものだから、



「…ダメじゃ…ない」



断るにも断れずに…。