あ……九条くんだ。 となりの家からほとんど同じタイミングで出てきた九条くんと、ドアノブを握ったまま目があった。 このところは、朝によくこうしてばったりと会うことが多く、もう驚くことはなくなった。 「昨日も海で歌の練習してたんだね~?部屋で勉強してたら聞こえてきたよ」 「あ、わりぃ。うるさかった?」