今日は校内ライブの当日だ。

私はというと
こういう日に限って風邪を引いてしまった。

最悪だ。

それも風邪のせいで熱まで出ている。

さらに最悪だ。

私はぼぉ…っとする意識の中で
何としてでもライブを成功させなくてはと思い
自分のキャパを超えてライブを行った。

やはりそれは無理があって
ライブが終わった頃には
風邪が悪化した。

余計に意識が朦朧とするようになった。

さすがに周りも私の異変に気づいていた。

心配する声もあった。

そんな中
1番私のことを誰よりも心配してくれていたのは
歩夢くんだった。

お水を買ってきてくれたり
のど飴を買ってきてくれたり
氷水を作ってくれて
私の首に置いてくれたりと
忙しなく私のために動いてくれていた。

私は朦朧とした意識の中で
歩夢くんがすごくかっこよく見えた。

それと同時に
私のためにここまでしてくれる歩夢くんに
心が動いた。

当の彼氏
雄一に至ってはLINEで
大丈夫w大丈夫ww
歌ってりゃ風邪なんか治るっしょwww
としか言ってくれなくて
心配のひとつもしてくれてなかった。

この時私は自分の直感で
あぁ。私が求めてる人は雄一じゃない。
歩夢くんなんだ…。
と結論づけた。

私は歩夢くんに
恋をしてしまったのだ。

この感情が恋なのか。

私は初めて
この「恋」という感情の意味を理解した。

そして決断した。

私は意思を固めて雄一にLINEを送った。