ただ私は、臆病だっただけ。


それを気づかせてくれたのは、紛れもなく会長だ。



会長が私の側にいてくれたから、臆病な私は勇気を出すことができた。



「会長に出会えてよかった……」



会長に出会わなければ、今の私はいない。


会長がくれたほんの少しの勇気で、私の世界は大きく変わったの。




ねぇ会長。


照れくさいし、こんな言葉じゃちっとも足りないけど、伝えてもいいかな?



会長に“ありがとう”て伝えたい────。




「へぇ」



え?



いつの間にかこちらに視線を向け、意地の悪い笑みを浮かべている会長と目が合って、私の顔に一気に熱が集まってくる。



「なっ…ば……起きてたの!?」


「寝てるなんて誰も言ってない」


「呼びかけてもつついても、反応しなかったでしょうがーーっ!!」


「そうか。お前は俺と出会えてよかったのか」


「やめろっ!!!嘘!全部嘘!!前言撤回!!」







そうしたら会長は何て言うかな?


笑ってくれるといいな。